かわさき子どもの権利フォーラム
  代 表  山田 雅太
 私たちは、2017年8月20日に「かわさき子どもの権利フォーラム~ちがいが豊かさとしてひびきあう『まち』をめざして~」という市民団体を立ち上げました。
この団体を立ち上げた理由は、「子どもの権利」の視点にたって、もう一度、川崎市の子どもの実態に目を向け、子どもたちが「まち」の中で笑顔で暮らしているのか、川崎市は「子どもにやさしいまち」であるのか、「一人ひとりの違いが社会の豊かさと結びついているのか」を自分自身に、自分の住んでいる「まち」に、あるいは市民の皆様に問いかけ、ともに考え合っていきたいという思いからでした。
2001年4月に「川崎市子どもに関する権利条例」が施行された後も、2010年に「いじめ」により自死してしまう子どもや2015年には不登校の子どもが河川敷で殺害されるという悲惨な事件が起きてしまいました。昨今のこのような不幸な事件を目の当たりにすると、子どもの育ちを地域住民参加、保護者参加、子ども参加で取り組もうという川崎市の「地域教育会議」の理念や一人ひとりの違いを認め合い、ありのままの自分を大切にしようとする「子どもの権利に関する条例」の理念が、川崎市の子どもやおとなに十分浸透していないのではないかと思えてくるのです。「子どもの権利に関する条例」の施行から、17年が経過しようとしています。
その間に果たして「子どもの権利」についてのおとなや子どもの学びは進んだのでしょうか?
私たちは、今こそ、「市民のチカラ」で、子どもの権利及び条例の理念を広め、深める時が来たのではないかと思っています。そこで、改めて、川崎市の子どもに関わるさまざまな個人、団体と大きな連携の輪を作り、子どもや保護者を支えていきたいと考えています。どうぞ、市民のみなさん、「子どもたちが幸せに生きる『まち』をつくる」ために、一緒に考え合ってみませんか?子どもが幸せに生きる「まち」は、おとなが幸せに暮らせる「まち」でもあるのです。
最後に、条例策定に携わった子ども委員が考えた「おとなへのメッセージ」をご紹介します。このメッセージは、現在、川崎市の母子手帳等に掲載されています。

~子どもから大人へのメッセージ~

まず、おとなが幸せにいてください
おとなが幸せじゃないのに子どもだけ幸せにはなれません。
おとなが幸せでないと、子どもに虐待とか体罰とかが起きます。
条例に「子どもは愛情と理解をもって育まれる」とありますが、
まず、家庭や学校、地域の中で、おとなが幸せでいてほしいのです。
子どもはそういう中で、安心して生きることができます。

       2001年3月 子どもの権利条例 子ども委員会のまとめ

rs1521518799.jpg

​団体概要(2022年5月1日時点)

​名称  かわさき子どもの権利フォーラム

設立 2017年8月20日

代表 山田雅太

事務局長 圓谷雪絵​

かわさき子どもの権利フォーラム設立趣意書

2017年8月20日呼びかけ人一同

1 会の名称
かわさき子どもの権利フォーラム
(Kawasaki Forum on the Rights of the Child)
~ちがいが豊かさとしてひびきあう「まち」をめざして~

 


2 本会設立の背景と趣旨
川崎市には、子どもの「人権」や「多文化共生」という理念を大切にしようとしてきた大きな流れがあります。もちろん、その背景には、子どもが差別を受けてきたという事実や体罰やいじめで大切な子どもを失ってきたという悲しい歴史があります。今回、「かわさき子どもの権利フォーラム」を設立するに当たり、川崎市の人権教育の歩みを少し紹介しておきたいと思います。


川崎市の教育が大きく動くのは、1980年(昭和55年)に旧高津区で起こった「金属バット殺人事件」です。この事件を機に、市内の全小学校を会場で教育集会が開かれ、242カ所、参加者延べ4万人から出された6500件の意見をもとに、1986年に「いきいきとした川崎の教育をめざして」として、報告書がまとめられました。その中で、地域からの教育改革をめざして、「地域教育会議」が提案されます。
また、川崎市は、在日韓国・朝鮮人の多住地域がある都市でもあります。川崎市の人権教育は、在日韓国・朝鮮人の人権問題から始まっていると言っても過言ではありません。


川崎市の学校における人権教育の始まりも、1984年に在日の多住地域である桜本地区にある桜本小・東桜本小・桜本中学校(現在、桜本小・東桜本小の2校は、「さくら小」に統合)の「桜3校」で取り組んだ「人権教育」でした。1986年には、外国人教育の一層の推進を図るために「川崎市在日外国人教育基本方針―主として在日韓国・朝鮮人教育―」が制定されました。(この基本方針は、1998年に「川崎市外国人教育基本方針―多文化共生の社会を目ざして―」に改定)


このように1980年代に、川崎市の市民参加の教育改革や人権教育に係わる基本的な方針が整備されつつありましたが、1987年にある小学校の特別支援級で体罰死事件が起きてしまいました。その事件を受け、市教委では「体罰の根絶に向けて」を作成し、小学校長会では「子どもの人権の見直し」を行い、学校経営の基盤を人権尊重教育におくことを宣言しました。


さらに、川崎市教育委員会では、1994年に「川崎市人権尊重教育推進会議」を起ち上げ、子どもの権利条約のパンフレットを全校に配り始めます。一方、市でも1996年に「川崎市外国人市民代表者会議」が設置されます。この施策も、選挙権のない外国人市民に市政参加、意見表明の道を開く画期的な施策だったと思います。2000年には、いよいよ「川崎市子どもの権利に関する条例」が制定されていきます。


しかしながら、川崎市に子どもに関する権利条例が発行された後、中学校で2010年に、「いじめ」により自死してしまう子どもや2015年には不登校の子どもが河川敷で刺殺されるという悲惨な事件が起きてしまいました。川崎市の児童の虐待通告件数をみても、2016年にはとうとう年間2000人を超えるようになってしまいました。昨今のこのような不幸な事件を目の当たりにすると、子どもの教育を地域住民参加、保護者参加、子ども参加で取り組もうという川崎市の「地域教育会議」の理念や一人一人の違いを認め合い、ありのままの自分を大切にしようとする「子どもの権利」に関する理念が、川崎市の子どもやおとなに十分浸透していないのではないかと思えてくるのです。
子どもの権利委員会の実態・意識調査(平成27年3月)でも、子どもの権利条例の認知度は、「知っている」と回答した子どもが11.8%、おとなが6.5%、職員が75.6%いう数値です。また、「聞いたことはあるが内容はよくわからない」と回答する割合は、子
どもが33.2%、おとなが25.4%、職員が19.6%です。「知らない」と回答した子どもは54.1%、おとなは66.8%、職員は4.4%もいます。この数値から、学校や乳幼児等の教育現場で、子どもの権利学習が有効に行われているのかという市民からの問いかけもあります。また、「いじめ」や不登校数の発生件数の推移を見ていると、子どもたちの自己肯定感はなかなか高まらず、「ありのままに生きる自分」に自信を持てていない状況も伺われます。


この原因はどのようなところにあるのでしょうか?もしかすると、私たちおとな自身が幸せに生きるために自分の「権利」を大切にするという認識がないということがあるのかもしれません。おとな社会は、この20年の間に成果主義が定着し、効率的に働くことが求められてきました。そのため、人との関係性をつくることが希薄になってしまっているのかもしれません。最近では、「ワーク・ライフ・バランス」や「働き方改革」などの言葉も耳にすることも多くなってきましたが、企業経営者の中には「働く人の子育て」という視点が無い方がいるのかもしれません。
学校でも、教科の授業時間数が増え「人権学習」に時間を割くゆとりもない状況だと聞いています。地域社会や家庭のありように目を向けても、ひとり親家庭や共働き家庭が増加し、自分の家庭内の課題だけで精いっぱいで、地域社会とかかわりをもったり、自分の子育てを振り返ったりするゆとりすらないという意見もあります。

 

私たちは、「子どもの権利」を視点として、もう一度、川崎市の子どもの実態に目を向け、子どもたちが川崎市の中で笑顔でくらしているのか、子どもにとってやさしい「まち」であるのか、それぞれの個々の違いが社会の豊かさと結びついているかを、自分に、家庭に、学校に、地域社会に、市民の皆様に、問いかけていきたいと思います。そして、私たちは、川崎にくらすすべての人々と、子どもたち自身が主体者となって、「未来社会を創り上げる力」をどのように育てていったらよいのかを考え合っていきたいのです。そのために様々な川崎市の行政機関、民間NPO、民間企業、市民、子どもたち等と連携し、それらの人々をつなぐネットワークの核になる機関として本団体を設立することにいたしました。

 

皆様に、この設立の趣旨にご賛同いただき、ともに活動していただければ幸いです。

 


3 設立呼びかけ人
●代 表 山田 雅太
●事務局 圓谷 雪絵
●呼びかけ人(設立委員 アイウエオ順)
荒牧 重人、内田 塔子、 小倉 敬子、 喜多 明人、金 煕 淑、 小宮山健治、 高梨 晃宏、 坪井 節子、

西野 博之、 野村 武司、 朴 栄 子、 宮越 隆夫、山崎 信喜、 吉田 恒雄

4 主な活動
① 子どもの権利・条例の普及活動
・子どもの権利学習・条例学習の開発
・研修内容の研究
・講師派遣
②子どもの権利に関する条例に基づく活動の支援
・条例普及啓発活動支援
・こども会議運営支援
・かわさき子ども夢パーク運営支援
・子どものオンブズパーソン運営支援
・子どもの権利委員会運営支援

 ③子どもの権利を実現するためのコーディネーター育成
・子ども支援コーディネーターの育成
(寺子屋先生、子ども会議サポーター、こども文化センターコーディネーター等)
④子どもの権利条例実施と子どもの権利にかかわるとネットワークづくり
・市内子ども支援団体、他都市子ども団体との連携、合同フォーラムなど
⑤子どもの権利を大切にする「まち」づくりへの提言
(例)子どもの意見を生かした居場所、施設等の提言
(例)子ども参加を促進する施策の提言
●「地域の日」などの提言
・各町内会子ども会への参加の促進
・地域教育会議・子ども会議への参加の促進
・子どもの権利にかかわる活動の促進

ABOUT US
わたしたちについて

設立経緯(設立趣意書より)